文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

哲学

Barry Stroud “The Significance of Philosophical Scepticism”

Barry Stroud “The Significance of Philosophical Scepticism” Oxford University Press Barry Stroudの “The Significance of Philosophical Scepticism”を読了しました。原著の出版は1984年で、『君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか―哲学的懐疑…

伊藤邦武『フランス認識論における非決定論の研究』

伊藤邦武 『フランス認識論における非決定論の研究』 晃洋書房 伊藤邦武の『フランス認識論における非決定論の研究』を読了しました。ブートルー、ポアンカレ、デュルケームという日本の哲学研究史においては決して注目されてきたとはいえないフランスの3人…

マルクス・ガブリエル『新実存主義』

マルクス・ガブリエル 廣瀬覚訳 『新実存主義』 岩波新書 マルクス・ガブリエルの『新実存主義』を読了しました。「哲学界のロックスター」と奇妙なもてはやされ方をしているマルクス・ガブリエルは、テレビにも登場する現代の哲学者として(哲学という学問…

J・L・オースティン『オースティン哲学論文集』

J・L・オースティン 坂本百大監訳 『オースティン哲学論文集』 勁草書房 J・L・オースティン(1911-1960)『オースティン哲学論文集』を読了しました。発話行為という概念を提唱したイギリス日常言語学派の哲学者、オースティンの論文集です。収録された12の…

ロック『教育に関する考察』

ロック 服部知文訳 『教育に関する考察』 岩波文庫 ロック(1632-1704)の『教育に関する考察』を読了しました。認識論、道徳論、政治哲学、宗教論など幅広い分野で自身の思想を展開したロックですが、本書においてはその教育論を説いています。ルソーの『エ…

D・デイヴィドソン『行為と出来事』

D・デイヴィドソン 服部裕幸・柴田正良訳 『行為と出来事』 勁草書房 D・デイヴィドソン(1917-2003)の『行為と出来事』を読了しました。本書はデイヴィッドソンの主として行為論に関わる論文を集めた“Essays on Actions and Events”の抄訳です。どうせなら…

E・フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』

E・フッサール 細谷恒夫・木田元訳 『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』 中公文庫 E・フッサール(1859-1938)の『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』を読了しました。フッサール最晩年の講義をもとに、未完の末尾に遺稿の一部を付加するかたちで…

ドナルド・デイヴィドソン『真理と解釈』

ドナルド・デイヴィドソン 野本和幸・植木哲也・金子洋之・高橋要 訳 『真理と解釈』 勁草書房 ドナルド・デイヴィドソン(1917-2003)の『真理と解釈』を読了しました。デイヴィドソンは20世紀アメリカの哲学者としては最も有名な論客の一人ですが、主とし…

赤林朗・児玉聡編『入門・倫理学』

赤林朗・児玉聡編 『入門・倫理学』 勁草書房 赤林朗・児玉聡編『入門・倫理学』を読了しました。もともとは医療者向けの倫理学の教科書として書かれたものを、倫理学一般の入門書として再編集したのが本書とのことです。倫理学という学問の特徴や分類から始…

ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン『哲学探究』

ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン 丘沢静也役 『哲学探究』 岩波書店 ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの『哲学探究』を読了しました。特異な思想家であるウィトゲンシュタインの「後期」の代表的著作が本書『哲学探究』です。しかし、本書はあくまで…

冨田恭彦『詩としての哲学 ニーチェ・ハイデッガー・ローティ』

冨田恭彦 『詩としての哲学 ニーチェ・ハイデッガー・ローティ』 講談社選書メチエ 冨田恭彦の『詩としての哲学 ニーチェ・ハイデッガー・ローティ』を読了しました。定まった事実や真理なるものを希求するプラトン主義的な哲学に対して、想像力を通じた開か…

W・ジェイムズ『宗教的経験の諸相』

W・ジェイムズ 桝田啓三郎訳 『宗教的経験の諸相』 岩波文庫 W・ジェイムズ(1842-1910)の『宗教的経験の諸相』を読了しました。最近のプラグマティズム関連の読書の一環として手に取った本書ですが、ジェイムズ自身の哲学が孕む特殊さを脇に置いたとして…

シェリル・ミサック『プラグマティズムの歩き方 21世紀のためのアメリカ哲学案内』

シェリル・ミサック 加藤隆文訳 『プラグマティズムの歩き方 21世紀のためのアメリカ哲学案内』 勁草書房 シェリル・ミサックの『プラグマティズムの歩き方 21世紀のためのアメリカ哲学案内』を読了しました。現代の気鋭のプラグマティストであるミサックが…

Alfred Jules Ayer “Language, Truth and Logic”

Alfred Jules Ayer “Language, Truth and Logic” Dover Publications, Inc. Alfred Jules Ayer(1910-1989)の “Language, Truth and Logic”を読了しました。論理実証主義の影響の下に発表された20世紀の分析哲学の古典ともいえる作品ですが、邦訳が手に入り…

バートランド・ラッセル『哲学入門』

バートランド・ラッセル 高村夏輝訳 『哲学入門』 ちくま学芸文庫 バートランド・ラッセル(1872-1970)の『哲学入門』を読了しました。本書の原題は“The Problems of Philosophy”で発表されたのは1912年、ホワイトヘッドとの共著『プリンキピア・マテマティ…

パース、ジェイムズ、デューイ『プラグマティズム古典集成』

パース、ジェイムズ、デューイ 植木豊訳 『プラグマティズム古典集成』 作品社 パース、ジェイムズ、デューイの『プラグマティズム古典集成』を読了しました。古典的プラグマティストである思想家三名のプラグマティズムに関する重要論文を一冊に編纂したの…

W・ジェイムズ『プラグマティズム』

W・ジェイムズ 桝田啓三郎訳 『プラグマティズム』 岩波文庫 W・ジェイムズ(1842-1910)の『プラグマティズム』を読了しました。「プラグマティズム」という言葉の創始者はパースだったとすれば、それを人口に膾炙するものとしたのはウィリアム・ジェイムズ…

レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』

レヴィ=ストロース 川田順造訳 『悲しき熱帯』 中公クラシックス レヴィ=ストロース(1908-2009)の『悲しき熱帯』を読了しました。文化人類学者で「構造主義」の思想家として知られるレヴィ=ストロースが、博士論文である『親族の基本構造』に次いで発表し…

W・V・O・クワイン『ことばと対象』

W・V・O・クワイン 大出晁・宮館恵訳 『ことばと対象』 勁草書房 W・V・O・クワイン(1908-2000)の『ことばと対象』を読了しました。本書はクワインの主著という位置づけの書物だと思いますが、特に第二章「翻訳と意味」において展開された「翻訳の不確定性…

ダグラス・クタッチ『因果性』

ダグラス・クタッチ 相松慎也訳 『因果性』 岩波書店 ダグラス・クタッチの『因果性』を読了しました。「現代哲学のキーコンセプト」シリーズの一冊で、本書では古典的な哲学のトピックのひとつでもあり、現代においても科学哲学や新しい形而上学の文脈にお…

マルティン・ハイデッガー『存在と時間』

マルティン・ハイデッガー 細谷貞雄訳 『存在と時間』 ちくま学芸文庫 マルティン・ハイデッガー(1889-1976)の『存在と時間』を読了しました。いわずと知れた20世紀における哲学上の主要著作のひとつですが、21世紀の現在においてはどのような評価になって…

渡辺公三『現代思想の冒険者たち 第20巻 レヴィ=ストロース―構造』

渡辺公三 『現代思想の冒険者たち 第20巻 レヴィ=ストロース―構造』 講談社 渡辺公三の『現代思想の冒険者たち 第20巻 レヴィ=ストロース―構造』を読了しました。このシリーズは哲学に対する私の興味関心を駆り立ててくれた思い出のある叢書なのですが、本巻…

トーマス・クーン『コペルニクス革命』

トーマス・クーン 常石敬一訳 『コペルニクス革命』 講談社学術文庫 トーマス・クーン(1922-1996)の『コペルニクス革命』を読了しました。『科学革命の構造』を著して科学哲学の世界に喧々囂々の議論を巻き起こす前の「科学史家」クーンの著作です。本書に…

野家啓一『現代思想の冒険者たち 第24巻 クーン―パラダイム』

野家啓一 『現代思想の冒険者たち 第24巻 クーン―パラダイム』 講談社 野家啓一の『現代思想の冒険者たち 第24巻 クーン―パラダイム』を読了しました。「通約不可能性」に関する擁護を中心に読み込んで、その点に関する自分の理解を今一度補強したいというの…

カント『実践理性批判』

カント 波多野精一・宮本和吉・篠田英雄訳 『実践理性批判』 岩波文庫 カント(1724-1804)の『実践理性批判』を読了しました。『純粋理性批判』が「第一批判」と呼ばれるのに対して本書は「第二批判」と呼ばれ、人間理性の批判的吟味が遂行されます。第一批…

ジョン・ロック『寛容についての手紙』

ジョン・ロック 加藤節・李静和訳 『寛容についての手紙』 岩波文庫 ジョン・ロック(1632-1704)の『寛容についての手紙』を読了しました。「寛容」という言葉でイメージされるのは極めて現代的で普遍的なテーマなのですが、本書でロックが問題とするのは、…

内山勝利 責任編集『哲学の歴史 第1巻 哲学誕生【古代Ⅰ】』

内山勝利 責任編集 『哲学の歴史 第1巻 哲学誕生【古代Ⅰ】』 中央公論新社 『哲学の歴史 第1巻 哲学誕生【古代Ⅰ】』を読了しました。帯のコピーである「最初からクライマックス!」に思わずクスリとさせられますが、本書では古代ギリシアのいわゆる「ソクラ…

N・マルコム『ウィトゲンシュタイン 天才哲学者の思い出』 

N・マルコム 板坂元訳 『ウィトゲンシュタイン 天才哲学者の思い出』 講談社現代新書 N・マルコムの『ウィトゲンシュタイン 天才哲学者の思い出』を読了しました。本書はアメリカの哲学者であり、ケンブリッジ時代のウィトゲンシュタインに学び、「天才哲…

スティーヴン・マンフォード ラニ・リル・アンユム『哲学がわかる 因果性』

スティーヴン・マンフォード ラニ・リル・アンユム 塩野直之 谷川卓 訳 『哲学がわかる 因果性』 岩波書店 スティーヴン・マンフォードとラニ・リル・アンユムの『哲学がわかる 因果性』を読了しました。サブタイトルに“A VERY SHORT INTRODUCTION”とあるよ…

伊藤邦武『宇宙はなぜ哲学の問題になるのか』

伊藤邦武 『宇宙はなぜ哲学の問題になるのか』 ちくまプリマー新書 伊藤邦武の『宇宙はなぜ哲学の問題になるのか』を読了しました。筑摩書房には「ちくま新書」レーベルがありますが、この「ちくまプリマー新書」はヤングアダルト向けのコンパクトな入門書が…