文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

哲学

ホッブズ『リヴァイアサン』

ホッブズ 水田洋訳 『リヴァイアサン』 岩波文庫 ホッブズ(1588-1679)の『リヴァイアサン』を読了しました。イギリスの哲学者トマス・ホッブズが著した政治哲学の古典です。「人間について」、「コモン-ウェルスについて」、「キリスト教のコモン-ウェルス…

アンディ・クラーク『生まれながらのサイボーグ』

アンディ・クラーク 呉羽真・久木田水生・西尾香苗訳 『生まれながらのサイボーグ』 春秋社 アンディ・クラークの『生まれながらのサイボーグ』を読了しました。サブタイトルは「心・テクノロジー・知能の未来」、心の哲学や認知科学の領域で参照されるべき…

ジョン・R・サール『MiND 心の哲学』

ジョン・R・サール 山本貴光・吉川浩光訳 『MiND 心の哲学』 ちくま学芸文庫 ジョン・R・サールの『MiND 心の哲学』を読了しました。オースティンと共に言語行為論の主導的な論者であったサールですが、人工知能批判やかの有名な中国語の部屋の議論をはじめ…

中川純男責任編集『哲学の歴史 第3巻 神との対話【中世】』

中川純男責任編集 『哲学の歴史 第3巻 神との対話【中世】』 中央公論新社 『哲学の歴史 第3巻 神との対話【中世】』を読了しました。「アレクサンドリアの神学」と題された章から始まって、エックハルトに至るまでのいわゆる「中世哲学」の歴史が概観されま…

ジョン・ロック『キリスト教の合理性』

ジョン・ロック 加藤節訳 『キリスト教の合理性』 岩波文庫 ジョン・ロック(1632-1704)の『キリスト教の合理性』を読了しました。『人間知性論』や『統治二論』などの著作が有名なロックですが、その宗教思想については、哲学や政治学の分野における業績ほ…

エルンスト・マッハ『感覚の分析』

エルンスト・マッハ 須藤吾之助・廣松渉訳 『感覚の分析』 法政大学出版局 エルンスト・マッハ(1838-1916)の『感覚の分析』を読了しました。オーストリア出身の物理学者で、科学史や科学哲学の分野でも活躍したマッハが著した哲学の著作のひとつが本書です…

伊勢田哲治『科学哲学の源流をたどる 研究伝統の百年史』

伊勢田哲治 『科学哲学の源流をたどる 研究伝統の百年史』 ミネルヴァ書房 伊勢田哲治の『科学哲学の源流をたどる』を読了しました。本書は、20世紀の論理実証主義以前の「科学哲学」に関する歴史を整理して紐解いた科学哲学史の研究書です。ハーシェル、ヒ…

ソール・A・クリプキ『名指しと必然性』

ソール・A・クリプキ 八木沢敬・野家啓一訳 『名指しと必然性』 産業図書 ソール・A・クリプキ(1940-)の『名指しと必然性』を読了しました。ラッセルによる確定記述に基づく固有名の解釈に真っ向から反対して、指示の因果説を提唱した20世紀の言語哲学にお…

上枝美典『現代認識論入門 ゲティア問題から徳認識論まで』

上枝美典 『現代認識論入門 ゲティア問題から徳認識論まで』 勁草書房 上枝美典の『現代認識論入門 ゲティア問題から徳認識論まで』を読了しました。エドマンド・ゲティアが1963年に発表した極めて短い論文を端緒として、主に英米系の分析哲学の流れの中で「…

Nelson Goodman "Fact, Fiction, and Forecast"

Nelson Goodman "Fact, Fiction, and Forecast" Harvard University Press Nelson Goodman(1906-1988)の"Fact, Fiction, and Forecast"を読了しました。『事実・虚構・予言』として勁草書房から翻訳が出ており、現在も流通している書籍ではあるのですが、…

ヒューム『自然宗教をめぐる対話』

ヒューム 犬塚元訳 『自然宗教をめぐる対話』 岩波文庫 ヒューム(1711-1776)の『自然宗教をめぐる対話』を読了しました。ヒュームにしては珍しく対話篇の形式によって書かれた著作で、そのテーマの繊細さゆえにヒュームの死後になってから出版された作品で…

J・R・サール『言語行為』

J・R・サール 坂本百大・土屋俊訳 『言語行為』 勁草書房 J・R・サール(1932-)の『言語行為』を読了しました。現代アメリカを代表する哲学者の一人で長くカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとっていたサールですが、近年になって残念なかたちで大学を…

ライプニッツ『モナドロジー 他二篇』

ライプニッツ 谷川多佳子・岡部英男訳 『モナドロジー 他二篇』 岩波文庫 ライプニッツ(1646-1716)の『モナドロジー 他二篇』を読了しました。本書には、ライプニッツが単純な実体として定義する「モナド」についての形而上学を展開した論文に加えて、「理…

ヒラリー・パトナム『存在論抜きの倫理』

ヒラリー・パトナム 関口浩喜他訳 『存在論抜きの倫理』 法政大学出版局 ヒラリー・パトナム(1926-2016)の『存在論抜きの倫理』を読了しました。2002年に発表された本書は、イタリアのペルージャ大学で行われた連続講義と、オランダはアムステルダムで行わ…

ヒラリー・パトナム『理性・真理・歴史 内在的実在論の展開』

ヒラリー・パトナム 野本和幸他訳 『理性・真理・歴史 内在的実在論の展開』 法政大学出版局 ヒラリー・パトナム(1926-2016)の『理性・真理・歴史 内在的実在論の展開』を読了しました。パトナムは20世紀後半のアメリカにおいて大きな影響力を持った哲学者…

イアン・ハッキング『確率の出現』

イアン・ハッキング 広田すみれ・森元良太訳 『確率の出現』 慶應義塾大学出版会 イアン・ハッキング(1936-)の『確率の出現』を読了しました。現代アメリカを代表する科学哲学者のひとりであるハッキングが1975年に発表して、現在まで続く確率論隆盛の嚆矢…

ダレル・P・ロウボトム『確率』

ダレル・P・ロウボトム 佐竹祐介訳 『確率』 岩波書店 ダレル・P・ロウボトムの『確率』を読了しました。岩波書店から刊行された「現代哲学のキーコンセプト」シリーズの一冊です。「確率」=“Proability”を巡る議論が見通しよく整理された良書です。 本書で…

小河原誠編『批判と挑戦―ポパー哲学の継承と発展にむけて』

小河原誠編 『批判と挑戦―ポパー哲学の継承と発展にむけて』 未来社 小河原誠の『批判と挑戦―ポパー哲学の継承と発展にむけて』を読了しました。科学という営みの輪郭を特徴付けるために「反証主義」を唱えた哲学者ポパーの受容史と、ポパーに対する批判への…

プラトン『国家』

プラトン 藤沢令夫訳 『国家』 岩波文庫 プラトン(BC427-BC347)の『国家』を読了しました。言わずとしれた古代の哲学者プラトンの著した対話篇です。文庫本上下巻で本文が900ページ超という長さのほぼ全編が、ソクラテスとアテナイの人々とによる対話形式…

納富信留『プラトンとの哲学 対話篇を読む』

納富信留 『プラトンとの哲学 対話篇を読む』 岩波新書 納富信留の『プラトンとの哲学 対話篇を読む』を読了しました。著者自身が「あとがき」において触れているように、既に岩波新書にはプラトンを主題とした作品が2つもラインナップされています。そのう…

ウィルフリド・セラーズ『経験論と心の哲学』

ウィルフリド・セラーズ 浜野研三訳 『経験論と心の哲学』 岩波書店 ウィルフリド・セラーズ(1912-1989)の『経験論と心の哲学』を読了しました。ローティによる序文とブランダムによる詳細な手引きが付されて一冊の書籍として刊行されていますが、本論自体…

リサ・ボルトロッティ『非合理性』

リサ・ボルトロッティ 鴻浩介訳 『非合理性』 岩波書店 リサ・ボルトロッティの『非合理性』を読了しました。本書は「現代哲学のキーコンセプト」と題されて刊行された叢書の一冊で、イギリスのポリティ社から刊行された哲学教科書シリーズから精選された五…

一ノ瀬正樹『英米哲学入門―「である」と「べき」の交差する世界』

一ノ瀬正樹 『英米哲学入門―「である」と「べき」の交差する世界』 ちくま新書 一ノ瀬正樹の『英米哲学入門―「である」と「べき」の交差する世界』を読了しました。タイトルから想像されるのは、イギリス経験論あたりから始まって、プラグマティズムの論述も…

トマス・ネーゲル『どこでもないところからの眺め』

トマス・ネーゲル 中村昇他訳 『どこでもないところからの眺め』 春秋社 トマス・ネーゲル(1937-)の『どこでもないところからの眺め』を読了しました。論文「コウモリであるとはどのようなことか」がつとに有名なアメリカ哲学界の重鎮のひとりですが、本書…

内山勝利 責任編集『哲学の歴史 第2巻 帝国と賢者【古代Ⅱ】』

内山勝利 責任編集 『哲学の歴史 第2巻 帝国と賢者【古代Ⅱ】』 中央公論新社 『哲学の歴史 第2巻 帝国と賢者【古代Ⅱ】』を読了しました。本巻では、エピクロス学派、初期ストア学派から始まって、古代懐疑主義、中期ストア学派、ヘレニズム期の科学思想、ロ…

Barry Stroud “The Significance of Philosophical Scepticism”

Barry Stroud “The Significance of Philosophical Scepticism” Oxford University Press Barry Stroudの “The Significance of Philosophical Scepticism”を読了しました。原著の出版は1984年で、『君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか―哲学的懐疑…

伊藤邦武『フランス認識論における非決定論の研究』

伊藤邦武 『フランス認識論における非決定論の研究』 晃洋書房 伊藤邦武の『フランス認識論における非決定論の研究』を読了しました。ブートルー、ポアンカレ、デュルケームという日本の哲学研究史においては決して注目されてきたとはいえないフランスの3人…

マルクス・ガブリエル『新実存主義』

マルクス・ガブリエル 廣瀬覚訳 『新実存主義』 岩波新書 マルクス・ガブリエルの『新実存主義』を読了しました。「哲学界のロックスター」と奇妙なもてはやされ方をしているマルクス・ガブリエルは、テレビにも登場する現代の哲学者として(哲学という学問…

J・L・オースティン『オースティン哲学論文集』

J・L・オースティン 坂本百大監訳 『オースティン哲学論文集』 勁草書房 J・L・オースティン(1911-1960)『オースティン哲学論文集』を読了しました。発話行為という概念を提唱したイギリス日常言語学派の哲学者、オースティンの論文集です。収録された12の…

ロック『教育に関する考察』

ロック 服部知文訳 『教育に関する考察』 岩波文庫 ロック(1632-1704)の『教育に関する考察』を読了しました。認識論、道徳論、政治哲学、宗教論など幅広い分野で自身の思想を展開したロックですが、本書においてはその教育論を説いています。ルソーの『エ…