アルヴィ宮本なほ子編
外国語で書かれた詩を鑑賞するということは、外国語で書かれた小説を読むことよりも私にとってはハードルが高い(ように思われる)のですが、それは何よりもまず、詩とは音読されるべきものであるという事実があるからだと思います。
もちろん翻訳された詩文からも、感じ取ることができるものはあるのですが、心のどこかには“韻律が解らずしてこの詩を読んだといえるのだろうか”という疑問が、少なくとも私の中には残っているのでしょう。
そんな私にとって、原詩に触れながら翻訳詩を鑑賞することができる岩波文庫の「対訳」シリーズはとてもありがたいもの。これまでにも、ブレイク、ワーズワス、コールリッジなどの対訳詩集を読んだのですが、このたびはイギリスのロマン派詩人であるシェリーの対訳を手に取りました。とはいえ、韻律の分析を行うことができるのかというと決してそうではなく、まだまだ詩の鑑賞は自分にとっては高いハードルなのだと感じるわけですが、それでも原詩の発音を確認しながら詩文をなぞっていくと、不思議とこれまでよりも“より良く”その詩を理解できたような気分になって、やはり詩を読むなら原語に触れないといけないなと思うわけです。
【満足度】★★★☆☆