文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

チャールズ・ディケンズ『二都物語』

チャールズ・ディケンズ 加賀山卓朗訳

二都物語』 新潮文庫

 

チャールズ・ディケンズ(1812-1870)の『二都物語』を読了しました。とはいえ、読了したのは少し前のことで、このブログを書くまでに少し時間が空いてしまいました。何とも忙しい日々が続いていて、ろくに本を読む時間もとれなかったのですが、寝る前に少しずつ読み進めていました。

 

本書は2014年に出版された新訳なのですが、『二都物語』自体は高校時代に読んだ記憶があります。とはいえまったくストーリーも覚えておらず、歴史に翻弄される登場人物たちの残影がほんの少し記憶の片隅にあるだけでした。今回読み返して印象に残ったのは、あざといと感じる人もいるとは思いますが、物語終盤でのカートンの英雄的な行為と、ドファルジュ夫人の苛烈な性格でした。特にドファルジュ夫人とミス・プロスの対決シーンは迫力があります。

 

結局のところ、このきわめて19世紀的な小説が自分の性に合っているところがあって、再読してみようという気持ちになったわけですが、そろそろ20世紀の(20世紀的な)小説も読まなければとも感じます。その時間が確保できれば、の話ですが。

 

【満足度】★★★☆☆