伊勢田哲治の『疑似科学と科学の哲学』を読了しました。科学哲学の基礎を学び直す中での再読です。本書は疑似科学と科学の「線引き問題」をテーマにしながら、科学哲学上の主要なトピックスについての教科書を目指して執筆されたものとのこと。
疑似科学と科学の厳密な線引きをどのようにして行うのかという問題について、すっぱりとした解決を求める人にはもやもやとした部分が残るのかもしれませんが、科学哲学の教科書としてはレベルが高いです。科学哲学や科学史を歴史に沿って時系列に並べるのではなく、疑似科学である(とされる)創造科学や占星術、超能力や代替医療といった個々のトピックスに応じて科学哲学の主題が語られているところがユニークです。統計学さらにはベイズ主義に関する読書につなげたいですね。
【満足度】★★★★☆