文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

フィリップ・ロス『ダイング・アニマル』

フィリップ・ロス 上岡伸雄訳

『ダイング・アニマル』 集英社

 

フィリップ・ロス(1933-2018)の『ダイング・アニマル』を読了しました。本書の主人公はデイヴィッド・ケペシュという文化批評家で、未読ですがロスの他の作品『乳房になった男』や『欲望学教授』にも登場した人物とのこと。老齢における性をテーマとした本書は翻訳で150ページ足らず、単行本ではありますが作品の長さとしては中編小説といったところでしょうか。

 

父の遺産』のような緊密な筆致を期待して読むと少し違うなという感触で、正直なところあまりピンと来ないところが多い読書体験となりました。時代性や私自身の年齢など、いろいろなものが枷になってこのような感想になったのではないかと思料します。フィリップ・ロスの文体は個人的にとても好きなのですが。

 

【満足度】★★★☆☆