文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

冨田恭彦『カント批判―『純粋理性批判』の論理を問う』

冨田恭彦

『カント批判―『純粋理性批判』の論理を問う』 勁草書房

 

冨田恭彦の『カント批判―『純粋理性批判』の論理を問う』を読了しました。『カント入門講義』や『カント哲学の奇妙な歪み』など、立て続けにカントを批判的に読解する著作を上梓している冨田氏ですが、本書も昨年2018年8月に哲学関連書籍の老舗出版社のひとつである勁草書房から発表されたカント批判書のひとつです。

 

カントの『純粋理性批判』の「批判」という言葉が、理性の限界(あるいは可能性の制約)を顕わにすることを意味しているのだとすれば、冨田氏が率直にも本書のタイトルとした「カント批判」はカント哲学の功績を認めつつもその制約条件を明らかにしようとする試みであるといえるのでしょう。

 

【満足度】★★★☆☆