文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

飯田隆『言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』

飯田隆

言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』 勁草書房

 

飯田隆の『言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』を読了しました。第一巻の主役はフレーゲラッセルでしたが、本書の主要な登場人物は論理実証主義者たち、ウィトゲンシュタイン、そしてクワインです。ウィトゲンシュタインは一時期に比べてあまり名前を聞くことがなくなった哲学者ですが、やはり流行りすたりがあるのでしょうか。

 

科学哲学の文脈での論理実証主義や、自然主義の文脈でのクワインは、最近の読書の中でも何度も登場してきましたが、言語哲学における両者の立ち位置を振り返る作業は懐かしいものがありました。言語哲学の隆盛の後に(?)迎えた現在の日本の哲学は、個別科学の哲学が大流行のように見えるのですが、果たしてどうなのでしょうか。そんなことを考えさせられるノスタルジックな読書体験となりました。

 

【満足度】★★★★☆