文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ポオ『黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九編』

ポオ 八木敏雄訳

『黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九編』 岩波文庫

 

エドガー・アラン・ポオ(1809-1849)の『黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九編』を読了しました。本書にはアメリカの詩人・作家であるポオの初期の作品をはじめとする短編小説が収録されています。

 

ポオに典型的な「ゴシック小説」である「アッシャー家の崩壊」や、暗号もの推理小説の嚆矢ともいえる「黄金虫」などの有名作品に加えて、「メッツェンガーシュタイン」のような初期小説作品やナンセンスものも収められているのが特徴でしょうか。ポオの作風が意外に多様であったこと―むしろ読者のニーズに合わせて多様な作風を展開するという姿勢を持っていたということ―を知ることができたのは、今回の読書の収穫のひとつだったように思います。

 

【満足度】★★★☆☆