文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

アール・コニー・セオドア・サイダー『形而上学レッスン 存在・時間・自由をめぐる哲学ガイド』

アール・コニー・セオドア・サイダー 小山虎訳

形而上学レッスン 存在・時間・自由をめぐる哲学ガイド』 春秋社

 

アール・コニーとセオドア・サイダーの共著『形而上学レッスン 存在・時間・自由をめぐる哲学ガイド』を読了しました。英語圏で展開された分析哲学を背景にした「新しい」形而上学に関する入門書です。主題になっているのは「人の同一性」、「宿命論」、「時間」、「神」、「何かがあるのはどうしてか」、「自由意志と決定論」、「物体の構成」、「普遍者」、「必然性・可能性」、「形而上学とは何か」。

 

いずれも古くから哲学の歴史において議論されてきたテーマですが、本書(や最近の「形而上学」研究)がそこに「現代哲学」からの新しい光を当てることができているのかどうか、やや疑問を感じる部分もあります。こんなことをしているから哲学は…という声が聞こえてきそうな気もします。結局のところ、哲学を知的なゲームとして捉える思弁とどのような距離感を取るかによって、形而上学への取り組み方も変わってくるのかもしれません。

 

【満足度】★★★☆☆