エミール・ゾラ 安士正夫訳
『ジェルミナール』 岩波文庫
エミール・ゾラ(1840-1902)の『ジェルミナール』を読了しました。ゾラの「ルーゴン・マッカール叢書」の一冊である作品で、『居酒屋』、『ナナ』、『獣人』に続いて私が読むのは本作で四冊目となります。
ストライキへと至る炭鉱労働者の姿を描いた作品で、連続ドラマ的な筋立てというか、起承転結がはっきりした物語というか、Wikipediaの記述によれば本作に基づいて5作の映画と2本のテレビ番組が制作されたとのことで、それもさもありなんという感じです。私自身にとっては、どこかつるつると読み進めてしまったところがあって、あまり心に引っかかるものはなかったという感想でした。
岩波文庫の旧字体で読んでみて、今から思うと『獣人』のときはそれが妙にはまっていたような気もするのですが、本書はそれが逆効果になっていたのかもしれません。いつか論創社から刊行されている新訳で読み直してみようかなと思います。
【満足度】★★★☆☆