文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

レイモンド・カーヴァー『英雄を謳うまい』

レイモンド・カーヴァー 村上春樹

『英雄を謳うまい』 中央公論新社

 

レイモンド・カーヴァー(1938-1988)の『英雄を謳うまい』を読了しました。読み進めてきたカーヴァー全集も本書で七巻目を迎えました。初期の習作的な色合いの強い短編や詩、評論などが収録された本書は、訳者である村上春樹からは「落ち穂拾い」的な性格を持つものと位置づけられています。

 

自分の知っている「カーヴァー」らしくないというか不思議な読み口のする「怒りの季節」が印象に残りました。その他の作品についてはするすると読んでいって、読み終えたという感じです。やはり本書は、訳者が正しくも断っているように、カーヴァーの心底からのファンや研究者向けの選集といった趣の作品となっています。

 

【満足度】★★★☆☆