文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

竹内外史『新装版 集合とはなにか はじめて学ぶ人のために』

竹内外史

『新装版 集合とはなにか はじめて学ぶ人のために』 講談社ブルーバックス

 

竹内外史の『新装版 集合とはなにか はじめて学ぶ人のために』を読了しました。現代数学の基礎部分をなしているといえる集合論について、数学者が一般向けに解説した本です。

 

いわゆる教科書よりは平易な書き方がなされているものの、その省略加減が逆に理解の及ばなさを生んでいるような気もしています。特に第3章の公理的集合論や第4章の現代集合論に関する著述は、これだけを読んでも理解が追いつかない難解なものになっているのではないかと思います。とはいえ「集合とはなにか」というタイトルが示すように、本書は単なる教科書とは異なって、集合論とは一体どのような直観から生まれた学問なのかということが、数学者自身の言葉で語られているという点で価値のあるものになっていると思います。

 

【満足度】★★★☆☆