『あいまいな日本の私』 岩波新書
大江健三郎の『あいまいな日本の私』を読了しました。本書には1994年のノーベル文学賞受賞時の記念講演をはじめ、新聞社主催の医療フォーラム、コンサートホール、井伏鱒二さんを偲ぶ会など、全部で9編の講演が収録されています。
聴衆の心を惹きつけるため、アイスブレイクのために挟み込まれるユーモアや、否応なく時代背景を感じさせる時事的な話題など、講演を読むという行為には独特の感興があるものです。井伏鱒二や島田雅彦など、日本の作家について語る大江の姿も印象的でした。
【満足度】★★★☆☆