文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

村上龍『海の向こうで戦争が始まる』

村上龍

『海の向こうで戦争が始まる』 講談社文庫

 

村上龍の『海の向こうで戦争が始まる』を読了しました。本書は村上龍の小説第二作目で、作者自身が本書の「あとがき」で、バーで出会ったリチャード・ブローティガンからの言葉として(この挿話自体がフィクションなのだと思いますが)「二作目は、一作目で習得した技術と想像力で書ける」と評するように、小説第一作目である『限りなく透明に近いブルー』の延長線上で書かれた作品のように見受けられます。ただ、そうやって本作を自ら対象化しつつも、来るべき第三作目に目を向けているところが、何とも村上龍氏らしいとことなのかもしれません。

 

【満足度】★★★☆☆