文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

氷上英廣『ニーチェの顔 他十三篇』

氷上英廣著 三島憲一

ニーチェの顔 他十三篇』 岩波文庫

 

氷上英廣(1911-1986)の『ニーチェの顔 他十三篇』を読了しました。高校時代に読んだ『ツァラトゥストラ』は岩波文庫版で氷上氏の翻訳。訳者による解説を読んで、ニーチェの謎めいた箴言や錯綜する寓話的物語の中に、一筋のストーリーを垣間見た気がした当時の読書体験は、今でも鮮烈に記憶に残っています。

 

プロパーの哲学研究者というよりは、文学研究者という方が氷上氏の実相に近いのだと思いますが、ニーチェのような思想家の研究を行うには、その方が適しているのでしょうか。本書に収録された論考・エッセイのいずれも肩の力を抜いて楽しく読むことができました。

 

【満足度】★★★☆☆