文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

パオロ・コニェッティ『帰れない山』

パオロ・コニェッティ 関口英子訳

『帰れない山』 新潮社

 

パオロ・コニェッティ(1978-)の『帰れない山』を読了しました。イタリアの文学賞「ストレーガ賞」ほか、数々の文学賞を受賞した作品で、全世界に翻訳刊行が進んでいるという、日本にもいわば鳴り物入りで紹介されたという印象の本書ですが、内容といえば、アルプスの山を舞台にした友情の物語、そして家族の物語というもので、多くの人が本書に惹かれるのも、さもありなんという感じです。

 

期待値が高かったことが、私自身の読後感にやや物足りなさを残してしまったのだと思いますが、丁寧に描かれた良い小説作品でした。タイトル直訳派の私としては「八つの山」という邦題でよかったのではないかと思うのですが。

 

【満足度】★★★☆☆