J・D・サリンジャー(1919-2010)の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読了しました。以前に野崎孝訳で読んだ『ライ麦畑でつかまえて』以来、何年ぶりの読書だったのか正確には解らないのですが、不思議とその読後感は似ているような気もします。
ホールデンの饒舌が描き出す学友の様子に引き込まれて、ニューヨークの街を彷徨するホールデンの姿に彼が感じたと思われる疲労を同じように感じて、無垢なものへの憧れに共感と同時に反発を覚えます。よく完成された作品ということなのだと思います。
【満足度】★★★☆☆