文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

イーヴリン・ウォー『愛されたもの』

イーヴリン・ウォー 中村健二・出渕博訳

『愛されたもの』 岩波文庫

 

イーヴリン・ウォー(1903-1966)の『愛されたもの』を読了しました。イーヴリン・ウォーはイギリスの作家で、彼の作品を読むのは本作が初めてになります。風刺の効いた作風で好き嫌いはあるのだと思いますが、それほど長くはない作品ながら読み応えはありました。

 

ヘンリー・ジェイムズとも比せられる、旧大陸vs新大陸という図式のもとで、葬儀産業という二十世紀的な舞台設定で皮肉な恋愛劇が描かれます。皮肉や風刺は面白く読むことができましたが、それ以外の何か腹に落ちるものはなかったというのが正直な感想なのですが。

 

【満足度】★★★☆☆