文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』

ゴーゴリ 浦雅春

『鼻/外套/査察官』 光文社古典新訳文庫

 

ゴーゴリ(1809-1852)の『鼻/外套/査察官』を読了しました。ウクライナ出身のロシア作家ゴーゴリの代表的な短編作品と戯曲作品が収録されています。「鼻」と「外套」は他の訳でも読んだことがあったと思いますが、「査察官」(これまでは「検察官」と訳されることが多かったようですが)を読むのは初めてのことでした。

 

本書のようにゴーゴリの作品を落語調で訳すことの意図は、これまでのゴーゴリ受容におけるイメージを覆そうという狙いにあるのだと思いますが、『死せる魂』を読んだときに覚えた違和感ほどには今回の訳が気にならなかったのは、本書に収録された作品がいずれも短い作品だからということもあるのでしょうか。

 

【満足度】★★★☆☆