文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

イーユン・リー『千年の祈り』

イーユン・リー 篠森ゆりこ訳

『千年の祈り』 新潮社

 

イーユン・リー(1972-)の『千年の祈り』を読了しました。中国の北京で生まれた著者は1996年に渡米した後、英語で小説を書くことを選んだそうです。2005年に刊行されたデビュー短編集である本書は「第1回フランク・オコナー国際短編賞」や「PEN/ヘミングウェイ賞」など様々な文学賞を受賞した話題作です。

 

作品のほとんどは中国を舞台にして、中国の人々を登場人物として物語られます。中国という国の「異郷性」を際立たせると同時に、日常性をしっかりと描写していく筆致に引き込まれました。話題になるのも納得の優れた作品集だと思います。

 

【満足度】★★★★☆