文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

村田沙耶香『マウス』

村田沙耶香

『マウス』 講談社文庫

 

村田沙耶香の『マウス』を読了しました。本書は2008年に刊行された彼女にとって二冊目となる単行本です。現実との向き合い方に苦悩する主人公(や周囲の登場人物)が、奇妙な仕方で世界との折り合いを付けていき、その奇妙さによって思わぬところへと飛翔していく様を描くという意味では、私が読んだことのある近年の作品に通じる部分があります。その奇妙さや現実のよじれ方に、まだ大人しさが感じられはするのですが。

 

【満足度】★★★☆☆