文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

J・D・サリンジャー『フラニーとズーイ』

J・D・サリンジャー 村上春樹

フラニーとズーイ』 新潮文庫

 

J・D・サリンジャー(1919-2010)の『フラニーとズーイ』を読了しました。著者の意向により「まえがき」や「あとがき」を付すことができない本書には、「投げ込み特別エッセイ」という形で村上春樹氏による解説が挟み込まれています。

 

グラース家の末っ子であるフラニーが俗物性に直面したときに感じる圧倒的な眩暈は、その兄ズーイの特異な弁舌がフラニーのみならず読者の方にも生じさせる幻惑にも通じてしまうかのようですが、不思議な読み心地の作品です。

 

【満足度】★★★☆☆