文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ウィルフリド・セラーズ『経験論と心の哲学』

ウィルフリド・セラーズ 浜野研三訳

『経験論と心の哲学』 岩波書店

 

ウィルフリド・セラーズ(1912-1989)の『経験論と心の哲学』を読了しました。ローティによる序文とブランダムによる詳細な手引きが付されて一冊の書籍として刊行されていますが、本論自体は少し長めの論文といったほどの分量です。いわゆる「所与の神話」を否定して、非概念的な「所与」が概念的なものである知識(命題)を正当化するという構図の倒錯を開示してみせた、20世紀における記念碑的な論文の一つであると言ってよいものでしょう。

 

【満足度】★★★★☆