フォースター 吉田健一訳
E・M・フォースター(1879-1970)の『ハワーズ・エンド』を読了しました。池澤夏樹氏の個人編集による世界文学全集の一冊として刊行されたもので、フォースターの作品に触れること自体が私にとっては初めてのことになります。『ハワーズ・エンド』は20世紀前半に活躍したイギリスの作家フォースターの代表作とのこと。
シュレーゲル家とウィルコックス家という対照的な2家族の間での複雑な交流を中心軸として、階級や家族を巡る価値観の揺れ動きのなかで両家の人間模様が描かれていきます。ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』のような筋立てですが、それほどには明朗だったり無垢だったりはせず、本書を面白がるための勘所のようなものは最後まで私には解らず仕舞いでした。
【満足度】★★★☆☆