J・G・フレーザー 吉岡晶子訳
J・G・フレーザー(1854-1941)の『金枝篇』を読了しました。イギリスの社会人類学者であるフレーザーが著した書物の図説入り編集版です。監修はメアリー・ダグラス、編集はサビーネ・マコーマックで、実際には13巻から成る大著が非常にコンパクトにまとめられています。
イタリアのネミの祭司は、なぜ聖なる枝を持つ者に命を狙われ殺されることになるのか。本書はまるで推理小説さながらに、この問いに完全な答えを出すための弛まない地道な「捜査」によって構成されています。古今東西の様々な信仰や習俗を比較しながらネミの絵解きを試みる本書は、多くの賞賛と批判を浴びながら後世に大きな影響を与えたとのこと。
【満足度】★★★☆☆