ジョン・ロック 加藤節訳
ジョン・ロック(1632-1704)の『キリスト教の合理性』を読了しました。『人間知性論』や『統治二論』などの著作が有名なロックですが、その宗教思想については、哲学や政治学の分野における業績ほどには、紹介が進んでいないのではないかと思います。本書はロックの宗教思想の核を知るために重要な作品であるとともに、ロック思想の全体像を捉える上でも欠かせないピースであるといえます。
聖書(福音書や使徒行伝)の読解を通じて、「ナザレのイエスはメシアである」ことを立証しようとするロックの論述は、聖書に馴染みの薄い私にとってはなかなか頭に入りにくいものでした。その成否については、如何とも論ずることができないのですが、この新訳を世に出してくれた訳者には感謝したいと思います。
【満足度】★★★☆☆