文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ハン・ガン『菜食主義者』

ハン・ガン きむふな訳

菜食主義者』 CUON

 

ハン・ガンの『菜食主義者』を読了しました。マン・ブッカー国際賞受賞作である本書は、連作といえる三つの中編作品からなる長編小説なのですが、やはり長編作品を意図して書かれたものではないかという気がします。肉を食べることを拒絶し、「菜食主義者」となった女性ヨンヘを核として、彼女の夫、義理の兄、そして姉の視点から物語が紡がれていきます。

 

プロットに対して意識的というか、主題を表現するための作法が練られているというか、創作の手筋にしっかりしたものが感じられて、極めて現代的な小説だなというのが率直な感想です。面白く読むことができました。

 

【満足度】★★★★☆