文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ウィラ・キャザー『マイ・アントニーア』

ウィラ・キャザー 佐藤宏子訳

『マイ・アントニーア』 みすず書房

 

ウィラ・キャザー(1873-1947)の『マイ・アントニーア』を読了しました。ウィラ・キャザーは20世紀初め頃に活躍したアメリカ文学者で、セオドア・ドライサー(1871-1945)などとほぼ同世代にあたる作家で、後進の世代となるフィッツジェラルドなどにも影響を与えたといわれています。しかし作家デビューは遅く、彼女にとって四作目の小説となる本書が発表されたのは1918年のことでした。

 

本書の物語は、19世紀後半のアメリカ中西部・ネブラスカを舞台にして、本書の主たる部分において視点人物となるジム・バーデンと、ボヘミアチェコの中西部)から家族と共にアメリカへと移住してきた少女アントニーアを中心として展開されます。西部開拓時代の生き生きとした息吹が感じられる少年・少女時代のエピソード(巨大な蛇退治!)や、それぞれ異なる道を歩みながらも記憶の深い部分で何かを共有しているジムとアントニーア、二人の生き様が描かれます。

 

【満足度】★★★☆☆