ドリス・レッシング 山本章子訳
ドリス・レッシング(1919-2013)の『グランド・マザーズ』を読了しました。2003年に発表された本書には、表題作のほか「ヴィクトリアの運命」、「最後の賢者」、「愛の結晶」という合計4つの短編作品が収録されています。そのいずれも毛色の違う作風で、楽しむことができました。そしてそのどれもが王道の文学作品であることに驚かされます。この懐の深さというものは、ベテラン作家ならではなのかもしれません。
とりわけ寓意的な物語が印象に残る「最後の賢者」を楽しく読むことができました。ストレートすぎるきらいはあるのかもしれませんが、それもレッシング作品の持ち味なのでしょうか。
【満足度】★★★☆☆