文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーヴン・キング『グリーン・マイル』

スティーヴン・キング 白石朗訳 『グリーン・マイル』 新潮文庫 スティーヴン・キング(1947-)の『グリーン・マイル』を読了しました。刊行当時、また映画化されたときにも大きな話題になりましたが、ベストセラー作家・キングの人気作品のひとつです。何と…

アベ・プレヴォー『マノン・レスコー』

アベ・プレヴォー 青柳瑞穂訳 『マノン・レスコー』 新潮文庫 アベ・プレヴォー(1697-1763)の『マノン・レスコー』を読了しました。18世紀フランスの作家であるアベ・プレヴォーは100冊以上もの本を著した多作家だそうですが、今日に至るまで読み継がれて…

石井光太『遺体 震災、津波の果てに』

石井光太 『遺体 震災、津波の果てに』 新潮文庫 石井光太の『遺体 震災、津波の果てに』を読了しました。東日本大震災直後の岩手県釜石市に設けられた遺体安置所に従事する人々の様子を追ったルポルタージュです。圧倒的な事実の前には言葉も出ないのですが…

アンナ・カヴァン『氷』

アンナ・カヴァン 山田和子訳 『氷』 ちくま文庫 アンナ・カヴァン(1901-1968)の『氷』を読了しました。バラードやオールディスといった、いわゆる「ニューウェーブ」のSF作家として位置づけられることの多いアンナ・カヴァンですが、近年その邦訳作品の刊…

フランソワ・ラブレー『第一之書 ガルガンチュワ物語』

フランソワ・ラブレー 渡辺一夫訳 『第一之書 ガルガンチュワ物語』 岩波文庫 フランソワ・ラブレー(1483?-1553)の『第一之書 ガルガンチュワ物語』を読了しました。フランス・ルネサンス時代の作家ラブレーの手による巨人物語。本書には「第一之書」とい…

カント『実践理性批判』

カント 波多野精一・宮本和吉・篠田英雄訳 『実践理性批判』 岩波文庫 カント(1724-1804)の『実践理性批判』を読了しました。『純粋理性批判』が「第一批判」と呼ばれるのに対して本書は「第二批判」と呼ばれ、人間理性の批判的吟味が遂行されます。第一批…

マリオ・バルガス=リョサ『世界終末戦争』

マリオ・バルガス=リョサ 旦敬介訳 『世界終末戦争』 新潮社 マリオ・バルガス=リョサ(1936-)の『世界終末戦争』を読了しました。ほぼ発表の順番に呼んできたバルガス=リョサの長編小説ですが、若干入手しづらくなっている『パンタレオン大尉と女たち』と…

亀井俊介『アメリカ文学史 講義3 現代人の運命』

亀井俊介 『アメリカ文学史 講義3 現代人の運命』 南雲堂 亀井俊介の『アメリカ文学史 講義3 現代人の運命』を読了しました。古本屋で購入したものだと思うのですが、なぜだか第三巻である本書のみが私の手元にあります。本書におけるアメリカ文学史は1930年…

渡辺一夫・鈴木力衛『増補 フランス文学案内』

渡辺一夫・鈴木力衛 『増補 フランス文学案内』 岩波文庫 渡辺一夫・鈴木力衛『増補 フランス文学案内』を読了しました。中世から20世紀に至るまでのフランス文学の歴史を概説した本書ですが、その叙述はフランス文学史を「人間」に関する探究の歴史と捉える…

パオロ・コニェッティ『帰れない山』

パオロ・コニェッティ 関口英子訳 『帰れない山』 新潮社 パオロ・コニェッティ(1978-)の『帰れない山』を読了しました。イタリアの文学賞「ストレーガ賞」ほか、数々の文学賞を受賞した作品で、全世界に翻訳刊行が進んでいるという、日本にもいわば鳴り物…

フィッツジェラルド『バビロン再訪 フィッツジェラルド短編集』

フィッツジェラルド 沼澤洽治訳 『バビロン再訪 フィッツジェラルド短編集』 集英社文庫 フィッツジェラルド(1896-1940)の『バビロン再訪 フィッツジェラルド短編集』を読了しました。本編に収録された三作品のいずれもが、岩波文庫のフィッツジェラルド短…

V. S. ナイポール『ミゲル・ストリート』

V. S. ナイポール 小沢自然・小野正嗣訳 『ミゲル・ストリート』 岩波文庫 V. S. ナイポール(1932-2018)の『ミゲル・ストリート』を読了しました。当時はイギリス領であった現在のトリニダード・トバゴに生まれ、オックスフォード大学で学んだ後に作家とな…

アップダイク『カップルズ』

アップダイク 宮本陽吉訳 『カップルズ』 新潮文庫 アップダイク(1932-2009)の『カップルズ』を読了しました。その名前の通り10組の夫婦(カップルズ)が登場して、不倫や夫婦交換などに明け暮れる日々が描かれています。ケネディ大統領暗殺という時代を画…