文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2021-07-10から1日間の記事一覧

中村文則『王国』

中村文則 『王国』 河出文庫 中村文則の『王国』を読了しました。大江健三郎賞を受賞した『掏摸』の姉妹編といわれる作品で、前作で圧倒的な存在感を放っていた木崎という人物が本書にも登場します。前作を読んだのがいつのことだったか覚えてはいないのです…

スティーヴン・ミルハウザー『三つの小さな王国』

スティーヴン・ミルハウザー 柴田元幸訳 『三つの小さな王国』 白水Uブックス スティーヴン・ミルハウザー(1943-)の『三つの小さな王国』を読了しました。1993年に発表された本書の原題は“Little Kingdoms”で、三篇の中編作品が収録されています。「J・フ…

カルミネ・アバーテ『海と山のオムレツ』

カルミネ・アバーテ 関口英子訳 『海と山のオムレツ』 新潮社 カルミネ・アバーテ(1954-)の『海と山のオムレツ』を読了しました。イタリア南部のカラブリア州出身の作家、アバーテによる自伝的短編小説集です。いずれも著者自身が出会ってきたと思しき食が…