文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーヴン・キング『ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風』

スティーヴン・キング 風間賢二訳 『ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風』 角川文庫 スティーヴン・キング(1947-)の『ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風』を読了しました。本書はシリーズが完結に至った後に書かれた、いわばスピンオフのような位…

米澤穂信『巴里マカロンの謎』

米澤穂信 『巴里マカロンの謎』 創元推理文庫 米澤穂信の『巴里マカロンの謎』を読了しました。シリーズ作品を読んでいたのは、もう随分と昔のことになってしまったため、作品の時系列がよく解らなくなっていたのですが、どうやら時系列としては既刊作品の間…

ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』

ゲーテ 山崎章甫訳 『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』 岩波文庫 ゲーテ(1749-1832)の『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』を読了しました。ドイツの教養小説(Bildungsroman)の古典作品として知られる本書ですが、これまでは手に取る機会がなく…

大江健三郎 文/大江ゆかり 画『ゆるやかな絆』

大江健三郎 文/大江ゆかり 画 『ゆるやかな絆』 講談社文庫 大江健三郎の『ゆるやかな絆』を読了しました。エッセイ集『恢復する家族』の続編とでもいうべき作品で、原著は1996年に刊行されています。1994年のノーベル文学賞受賞の時期についての回想をはじ…

M・バルガス=リョサ『パンタレオン大尉と女たち』

M・バルガス=リョサ 高見英一訳 『パンタレオン大尉と女たち』 新潮社 M・バルガス=リョサ(1936-)の『パンタレオン大尉と女たち』を読了しました。本書は品切れ重版未定が続いていて、なかなか手に取ることができなかったのですが、このたびようやく読むこ…

カレル・チャペック『白い病』

カレル・チャペック 阿部賢一訳 『白い病』 岩波文庫 カレル・チャペック(1890-1938)の『白い病』を読了しました。著者が亡くなる前年の1937年に発表されたこの戯曲作品は、ナチス・ドイツによるチェコスロバキア共和国の解体を目前にした時代にあって、疫…

アンドレイ・サプコフスキ『ウィッチャーⅣ ツバメの塔』

アンドレイ・サプコフスキ 川野靖子訳 『ウィッチャーⅣ ツバメの塔』 ハヤカワ文庫 アンドレイ・サプコフスキの『ウィッチャーⅣ ツバメの塔』を読了しました。全五作のシリーズ作品のうち、本書は四番目の長編作品となりますが、物語が閉じられていく気配は…