文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

タナハシ・コーツ『世界と僕のあいだに』

タナハシ・コーツ 池田年穂訳 『世界と僕のあいだに』 慶應義塾大学出版会 タナハシ・コーツの『世界と僕のあいだに』を読了しました。最近では小説作品も邦訳されましたが、ジャーナリストであり2016年の『タイム』誌が発表する「世界で最も影響力のある100…

舞城王太郎『淵の王』

舞城王太郎 『淵の王』 新潮文庫 舞城王太郎の『淵の王』を読了しました。「恐ろしくて切ない最強ホラー長篇」という帯のコピーは内容の面では当を得ていて、本書ではホラー小説でありながら切ない気分にさせられてしまう物語が展開されています。ただ、長篇…

マイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー『煙に消えた男』

マイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー 柳沢由美子訳 『煙に消えた男』 角川文庫 マイ・シューヴァルとペール・ヴァールーの『刑事マルティン・ベック 煙に消えた男』を読了しました。ヘニング・マンケルをはじめとする国内の作家はもとより、海外の多くの…

ジョナサン・フランゼン『コレクションズ』

ジョナサン・フランゼン 黒原敏行訳 『コレクションズ』 ハヤカワ文庫 ジョナサン・フランゼン(1959-)の『コレクションズ』を読了しました。2001年に発表されたフランゼンの第三作目の小説である本書は全米図書賞受賞作となり、その他にも数々の賞を受賞し…

エルフリーデ・イェリネク『死者の子供たち』

エルフリーデ・イェリネク 中込啓子・須永恆雄・岡本和子訳 『死者の子供たち』 鳥影社 エルフリーデ・イェリネク(1946-)の『死者の子供たち』を読了しました。オーストリアの小説家・劇作家で2004年のノーベル賞受賞作家です。本書は1995年に発表された著…