2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧
レイ・ブラッドベリ 『火星年代記〔新版〕』 レイ・ブラッドベリ(1920-2012)の『火星年代記〔新版〕』を読了しました。単行本としては1950年に発表されたSF小説の古典ともいえる作品ですが、本書は「新版」と銘打たれているように、1997年になってから作者…
有栖川有栖 『こうして誰もいなくなった』 角川文庫 有栖川有栖の『こうして誰もいなくなった』を読了しました。本格ミステリ作家である作者のノンシリーズの短編・中編からなる作品集です。作者自身が解題しているように、本格ミステリというよりはホラー作…
大江健三郎 文/大江ゆかり 画 『恢復する家族』 講談社文庫 大江健三郎の『恢復する家族』を読了しました。障害を持って生まれてきた長男との共生の歩みを手掛かりとして、傷と癒しについての思索を深めていく作家と家族の様子を綴った長篇エッセイです。と…
H・P・ラヴクラフト 南條竹則編訳 『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選』 新潮文庫 H・P・ラヴクラフト(1890-1937)の『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選』を読了しました。新潮スタークラシックスと銘打って海外文学の古典新訳が不定期で刊行されて…
J・K・ローリング 松岡佑子訳 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 静山社 J・K・ローリングの『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を読了しました。良くいえば定番のプロット、悪くいえば同工異曲ともいえる展開ではあるのですが、それでも少しずつ…
ジム・フジーリ 村上春樹訳 『ペット・サウンズ』 新潮社 ジム・フジーリの『ペット・サウンズ』を読了しました。作者はミステリー小説のほか、ロックやポップスに関する文章を発表していて、本書はアメリカのロックバンドであるビーチ・ボーイズが1966年に…
ヴォルテール 植田祐次訳 『カンディード 他五篇』 岩波文庫 ヴォルテール(1694-1778)の『カンディード 他五篇』を読了しました。「コント」というのは、もともとフランス語で短い寸劇のことを意味するそうですが、本書にはヴォルテールの代表的なコントの…
村上春樹・安西水丸 『村上朝日堂の逆襲』 新潮文庫 1985年から1986年にかけて「週間朝日」で連載されたエッセイ集。連載期間は長編作品でいえば『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』と『ノルウェイの森』が発表される間の期間に当たります。安…
J・K・ローリング 松岡佑子訳 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 静山社 J・K・ローリングの『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を読了しました。魔法学校に通うハリー・ポッターを主人公とするファンタジーシリーズの第二作品目です。黒幕の存在を完全には気…
タチアナ・ド・ロネ 高見浩訳 『サラの鍵』 新潮社 タチアナ・ド・ロネ(1961-)の『サラの鍵』を読了しました。本書カバーに記されたプロフィールによると、作者はパリ郊外で生まれパリとボストンで育ち、イギリスのイースト・アングリア大学で英文学を学ん…
J・K・ローリング 松岡佑子訳 『ハリー・ポッターと賢者の石』 静山社 J・K・ローリングの『ハリー・ポッターと賢者の石』を読了しました。映画を見た記憶はあるのですが、原作シリーズを読むのは初めてとなります。読んでみて強く感じられたのは伏線の仕掛…
又吉直樹 『人間』 毎日新聞出版 又吉直樹の『人間』を読了しました。前二作を引き継ぐ主題や表現もありながら、新たな文学的試みにそろそろと手を伸ばそうとしているという印象の作品でした。次の作品が楽しみだと感じている読書家の方は多いのではないでし…
G・ガルシア=マルケス 木村榮一訳 『ぼくはスピーチをするために来たのではありません』 新潮社 G・ガルシア=マルケス(1928-2014)の『ぼくはスピーチをするために来たのではありません』を読了しました。本書には「スピーチ嫌い」とされるガルシア=マルケ…