文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-02-07から1日間の記事一覧

島田荘司『改定完全版 火刑都市』

島田荘司 『改定完全版 火刑都市』 講談社文庫 島田荘司の『改定完全版 火刑都市』を読了しました。随分と昔に読んだことのある作品で、内容はまったくといっていいほど覚えていなかったのですが、楽しく読むことができました。作者らしい大きな幻想が作品の…

吉村達也『「カリブの海賊」殺人事件』

吉村達也 『「カリブの海賊」殺人事件』 角川文庫 吉村達也の『「カリブの海賊」殺人事件』を読了しました。ワントリックをメインに据えた作者らしい「ワンナイトミステリー」に仕上がっていると思います。あまり大きな声では言えませんが、トリック自体は本…

吉村達也『文通』

吉村達也 『文通』 角川ホラー文庫 吉村達也の『文通』を読了しました。作者のホラー作品の第二作目で、後から知ったことではありますが、売れ行きも良かった作品のようです。タイトルが示すとおり「文通」をテーマとした作品で、手書きの文字からなる手紙も…

吉村達也『血洗島の惨劇』

吉村達也 『血洗島の惨劇』 徳間文庫 吉村達也の『血洗島の惨劇』を読了しました。舞台はついに「島」ですらなくなった「惨劇の島」三部作の最終作となります。この「三部作」については、渋沢栄一のように共通したモチーフもあることはあるのですが、シリー…

吉村達也『水曜島の惨劇』

吉村達也 『水曜島の惨劇』 徳間文庫 吉村達也の『水曜島の惨劇』を読了しました。「惨劇の島」シリーズと題された作品の二作目となりますが、前作である『宝島の惨劇』と同様に、初期の作者のミステリーにお馴染みのトリッキーなミステリー作品を期待してい…

吉村達也『宝島の惨劇』

吉村達也 『宝島の惨劇』 徳間文庫 吉村達也の『宝島の惨劇』を読了しました。この作品は読むのは初めてのこととなります。「宝島」と呼ばれる島が日本に実在するという驚きとそこから掻き立てられるロマンというべきものが本書の駆動力の半分くらいを占めて…

吉村達也『銀閣寺の惨劇』

吉村達也 『銀閣寺の惨劇』 徳間文庫 吉村達也の『銀閣寺の惨劇』を読了しました。あらためて読み返してみると、二冊目を読み終えた後に気付かされる真相はかなりあからさまなかたちで読者の前に提示されていました。ネタバレになってしまいますが、この前代…

吉村達也『金閣寺の惨劇』

吉村達也 『金閣寺の惨劇』 徳間文庫 吉村達也の『金閣寺の惨劇』を読了しました。「二冊読み終えたときに、初めて第二の真相が浮かび上がる《双方向多重構造》ミステリー」と謳われる仕掛けの込められた作者の意欲作です。対になる作品である『銀閣寺の惨劇…

赤川次郎『一日だけの殺し屋』

赤川次郎 『一日だけの殺し屋』 角川文庫 赤川次郎の『一日だけの殺し屋』を読了しました。短編作品集ですが、それぞれ読み心地の異なる八つの作品が収録されています。「探偵物語」という短編は、後に映画化もされることになる長編小説のパイロット作品とい…

吉村達也『編集長連続殺人』

吉村達也 『編集長連続殺人』 光文社文庫 吉村達也の『編集長連続殺人』を読了しました。手元にある文庫本のカバー裏のタイトルは「編集長殺人事件」となっていて、ちょっと面食らってしまいます。第6刷なのですが、ずっとこの誤植が続いていたのでしょうか…