文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-04-14から1日間の記事一覧

宗田理『ぼくらの天使ゲーム』

宗田理 『ぼくらの天使ゲーム』 角川文庫 宗田理の『ぼくらの天使ゲーム』を読了しました。映画化もされた『ぼくらの七日間戦争』の続編となる作品ですが、中学生の妊娠や死、暴力団との対峙など、なかなかハードな展開を迎えることとなります。以前に読んだ…

吉村達也『算数・国語・理科・殺人』

吉村達也 『算数・国語・理科・殺人』 講談社文庫 吉村達也の『算数・国語・理科・殺人』を読了しました。以前に祥伝社文庫で読んだことがあるのですが、プロットについてはすっかり忘れてしまっていました。今回あらためて読み返してみて、かなり無理のある…

村上春樹『雨天炎天 ギリシャ・トルコ辺境紀行』

村上春樹 『雨天炎天 ギリシャ・トルコ辺境紀行』 新潮文庫 村上春樹の『雨天炎天 ギリシャ・トルコ辺境紀行』を読了しました。かなり昔に読んだことがあるはずなのですが、ほとんど覚えていないことが今回再読してみてよく分かりました。作者のエッセイや旅…

森博嗣『幻惑の死と使途』

森博嗣 『幻惑の死と使途』 講談社文庫 森博嗣の『幻惑の死と使途』を読了しました。奇術をテーマにした作品で、シンプルながらトリッキーな謎が提示されて、それが意外な仕方で解かれる様はミステリーの王道といえると思います。ただ不思議と印象に残りづら…

吉村達也『「倫敦の霧笛」殺人事件』

吉村達也 『「倫敦の霧笛」殺人事件』 角川文庫 吉村達也の『「倫敦の霧笛」殺人事件』を読了しました。ワンナイトミステリーと銘打たれた中編小説の一作で、今回が始めての読書となります。個人的にこのワンナイトミステリーシリーズはどの作品も楽しく読む…

貴志祐介『ダークゾーン』

貴志祐介 『ダークゾーン』 祥伝社文庫 貴志祐介の『ダークゾーン』を読了しました。ひたすらゲーム小説に淫して書いたという印象の小説で、そこに向けて本作のあらゆる要素が収斂していくかのように感じられます。そのゲーム性を楽しめるかどうかが本書を面…

赤川次郎『象牙色のクローゼット』

赤川次郎 『象牙色のクローゼット』 光文社文庫 赤川次郎の『象牙色のクローゼット』を読了しました。21歳を迎えた主人公が巻き込まれるのはサイコスリラーを思わせるような殺人事件で、「青春ミステリー」を標榜しながらも作品全体としてはいつものようにど…

吉村達也『シンデレラの五重殺』

吉村達也 『シンデレラの五重殺』 光文社文庫 吉村達也の『シンデレラの五重殺』を読了しました。昔一度読んだことがあるはずなのですが、プロットもトリックもすっかり忘れてしまっていて、読み進めるうちに当時の記憶が少しずつ蘇ってきました。なかなかユ…

レイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』

レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳 『大いなる眠り』 ハヤカワ文庫 レイモンド・チャンドラー(1888-1959)の『大いなる眠り』を読了しました。フィリップ・マーロウを主人公とする一連のシリーズ作品の第一作にあたるのが本書なのですが、私が読むのは今…

石持浅海『月の扉』

石持浅海 『月の扉』 光文社文庫 石持浅海の『月の扉』を読了しました。奇妙な場面設定と奇妙な行動原理に基づいて行動する登場人物たち。作者の作品は読んでいて面白いことは面白いのですが、物語の細部について読後にほとんど記憶が残っていないという不思…

斉藤洋『ルドルフとイッパイアッテナ』

斉藤洋 『ルドルフとイッパイアッテナ』 講談社文庫 斉藤洋の『ルドルフとイッパイアッテナ』を読了しました。いわずと知れた児童文学の傑作が文庫本として刊行され、より多くの読者の手に取りやすい状況になったことは喜ばしいことだと思います。劇場アニメ…

我孫子武丸『8の殺人』

我孫子武丸 『8の殺人』 講談社文庫 我孫子武丸の『8の殺人』を読了しました。古きよき新本格というのも奇妙な表現ではあるのですが、刊行から30年以上が経過した現在の地点から振り返るとそのように表現したくなるような作品です。作者お得意のユーモア感覚…

吉村達也『卒業』

吉村達也 『卒業』 角川文庫 吉村達也の『卒業』を読了しました。テーマというか狙いとしては短編としてまとめた方がよいのではないかと思う内容と感じられましたが、あるいはショート・ショートでもよいのかもしれません。いずれにしても文庫本にして180ペ…