ラテンアメリカ文学
J・L・ボルヘス 木村榮一訳 『語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか』 岩波文庫 J・L・ボルヘス(1899-1986)の『語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか』を読了しました。本書はアルゼンチンを代表する作家ボルヘスが1978年にブエノスアイレスの大学で行…
フリオ・コルタサル 土岐恒二訳 『石蹴り遊び』 水声社 フリオ・コルタサル(1914-1984)の『石蹴り遊び』を読了しました。アルゼンチンの作家コルタサルの代表作のひとつです。 本書の特徴を語るには冒頭に置かれた「指定表」の存在に触れざるを得ません。…
G・ガルシア=マルケス 木村榮一訳 『迷宮の将軍』 新潮社 G・ガルシア=マルケス(1928-2014)の『迷宮の将軍』を読了しました。コロンビア出身でラテンアメリカを代表する作家の一人であるガルシア=マルケスが、本書『迷宮の将軍』を発表したのは1989年のこ…
バルガス=リョサ 旦敬介訳 『ラ・カテドラルでの対話』 岩波文庫 バルガス=リョサの『ラ・カテドラルでの対話』を読了しました。『都会と犬ども』、『緑の家』に続くバルガス=リョサの第三作目の長編作品です。「これまでに書いたすべての作品の中から一…
ホセ・ドノソ 鼓直訳 『夜のみだらな鳥』 水声社 ホセ・ドノソ(1924-1996)の『夜のみだらな鳥』を読了しました。いわゆるラテンアメリカ文学「ブーム」の作家のひとりで、近年は特に評価の高いのが、チリの作家であるホセ・ドノソです。本書はドノソの代表…
コルタサル 木村榮一訳 コルタサル短編集『悪魔の涎・追い求める男 他八篇』 岩波文庫 コルタサル短編集『悪魔の涎・追い求める男 他八篇』を読了しました。いわゆるラテンアメリカ文学「ブーム」の作家ひとりであるアルゼンチンの作家フリオ・コルタサル(1…
オクタビオ・パス 牛島信明訳 『弓と竪琴』 岩波文庫 オクタビオ・パス(1914-1998)の『弓と竪琴』を読了しました。本書はメキシコの詩人であり、ノーベル文学賞受賞者でもあるオクタビオ・パスの著した詩論です。彼の詩を読まずして詩論を読むというのも、…
バルガス=リョサ 木村榮一訳 『緑の家』 岩波文庫 バルガス=リョサ(1936-)の『緑の家』を読了しました。バルガス=リョサの作品を読むのは彼の長編第一作である『都会と犬ども』に続いて二冊目のことでした。せっかくならばバルガス=リョサの作品は可能な限…
フアン・ルルフォ 杉山晃訳 『燃える平原』 岩波文庫 フアン・ルルフォ(1917-1986)の『燃える平原』を読了しました。フアン・ルルフォはメキシコの作家で、後年は写真家としても活躍したようです。短編集である本書と長編『ペドロ・パラモ』が代表作で、ガ…
カルペンティエル 牛島信明訳 『失われた足跡』 岩波文庫 アレホ・カルペンティエル(1904-1980)の『失われた足跡』を読了しました。カルペンティエルはスイスに生まれてキューバのハバナで12歳までを過ごし、その後フランスに転居した後、再びキューバに移…
G・ガルシア=マルケス 鼓直 他訳 『族長の秋 他6篇』 新潮社 ガルシア=マルケス(1928-2014)の『族長の秋 他6篇』を読了。「族長の秋」については学生時代に集英社文庫で読んだことがあります。「他6篇」とある短編作品群については『エレンディラ』として…
マリオ・バルガス=リョサ 杉山晃訳 『都会と犬ども』 新潮社 ペルーの作家であるバルガス=リョサの『都会と犬ども』を読了。バルガス=リョサ(「ジョサ」という表記も見かけますが、どちらが市民権を得るのでしょうか)の作品を読むのはこれが初めて。月並み…
カルロス・フエンテス 本田誠二訳 『テラ・ノストラ』 水声社 メキシコの作家であるカルロス・フエンテスが1975年に発表した『テラ・ノストラ』は何しろ長大な作品で、読み終えた感想として、まずはどうしてもその長さについて語りたい気分になります。二段…
J.L.ボルヘス 鼓直訳 『アレフ』 岩波文庫 アルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『アレフ』を読了。2017年1月に岩波文庫に収められていますが、ラテンアメリカ文学研究者として有名な鼓さんによる新訳です。 ボルヘスは同じく岩波文庫の『伝奇集…