文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

日本文学

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.8』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.8』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.8』を読了しました。とんでもない設定のデスゲームに幼い心がくすぐられてしまうのですが、その馬鹿馬鹿しさ…

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.7』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.7』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.7』を読了しました。ちょっと話のノリについていけない部分も出てきているのですが、ある意味でよく計算され…

森博嗣『月は幽咽のデバイス』

森博嗣 『月は幽咽のデバイス』 講談社文庫 森博嗣の『月は幽咽のデバイス』を読了しました。特に語るべき言葉が出てこない作品というか、これはシリーズ全体をひとつの大河小説とみなしたときの、一つの章として読まれるべきものなのかもしれません。 【満…

村上春樹『東京奇譚集』

村上春樹 『東京奇譚集』 新潮文庫 村上春樹の『東京奇譚集』を読了しました。長篇『海辺のカフカ』から『1Q84』に至るまでの期間に発表されたもので、五編の短編作品が収録された作品集です。書き下ろし作品である「品川猿」を除く四編の小説は、本作に収録…

吉村達也『「吉野の花」殺人事件』

吉村達也 『「吉野の花」殺人事件』 徳間文庫 吉村達也の『「吉野の花」殺人事件』を読了しました。かなり大部の小説ですが、この頃の作者の作品群と同様に、本格ミステリーとしてのトリックやプロットよりも、別のところに主眼を置いた作品となっていて、そ…

早坂吝『アリス・ザ・ワンダーキラー 少女探偵殺人事件』

早坂吝 『アリス・ザ・ワンダーキラー 少女探偵殺人事件』 光文社文庫 早坂吝の『アリス・ザ・ワンダーキラー 少女探偵殺人事件』を読了しました。ルイス・キャロルの不思議の国のアリスをモチーフにしたパズルに、作者らしい企みが織り込まれたミステリー作…

須藤古都離『ゴリラ裁判の日』

須藤古都離 『ゴリラ裁判の日』 講談社 須藤古都離の『ゴリラ裁判の日』を読了しました。第64回メフィスト賞受賞作ですが、新本格ミステリーの文脈で読むといささか肩透かしを食ってしまうと思います。よく下調べの効いたゴリラの描写に加えて、裁判の判決を…

京極夏彦『姑獲鳥の夏』

京極夏彦 『姑獲鳥の夏』 講談社文庫 京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を読了しました。ミステリーとしてというよりは、その設定やキャラクターにおいて人気が出た作品なのだと思うのですが、ミステリーの文脈ではなかなかに大胆なことが試みられていて、何とも複雑…

石持浅海『賛美せよ、と成功は言った』

石持浅海 『賛美せよ、と成功は言った』 祥伝社文庫 石持浅海の『賛美せよ、と成功は言った』を読了しました。不思議な感覚のもとで展開されていく倒叙小説で、シリーズ作品に馴染みのある読者にとっては、いつものように面白く読むことができる作品になって…

赤川次郎『霧の夜にご用心』

赤川次郎 『霧の夜にご用心』 角川文庫 赤川次郎の『霧の夜にご用心』を読了しました。主人公の人物造形に何ともいえない危うさが残る作品で、作者の力技によってかろうじて成立しているといった印象です。 【満足度】★★★☆☆

吉村達也『トワイライトエクスプレスの惨劇』

吉村達也 『トワイライトエクスプレスの惨劇』 徳間文庫 吉村達也の『トワイライトエクスプレスの惨劇』を読了しました。本格ミステリーを期待して読むとおそらくはがっかりしてしまうのでしょう。 【満足度】★★☆☆☆

円居挽『カイジ ファイナルゲーム 小説版』

円居挽 『カイジ ファイナルゲーム 小説版』 講談社文庫 円居挽の『カイジ ファイナルゲーム 小説版』を読了しました。次は作者のオリジナルのミステリー小説を楽しみに待ちたいと思います。 【満足度】★★★☆☆

我孫子武丸『眠り姫とバンパイア』

我孫子武丸 『眠り姫とバンパイア』 講談社文庫 我孫子武丸の『眠り姫とバンパイア』を読了しました。ミステリーランドの一冊として上梓された作品の文庫版です。作者らしい水準の高いミステリー作品となっています。 【満足度】★★★☆☆

綾辻行人『鳴風荘事件 殺人方程式Ⅱ』

綾辻行人 『鳴風荘事件 殺人方程式Ⅱ』 講談社文庫 綾辻行人の『鳴風荘事件 殺人方程式Ⅱ』を読了しました。いわゆる狭い意味での本格ミステリーに正面から取り組んだ作品で、読み応えがあります。解けそうで解けない真相のレベル感も絶妙で、残りの5%から10%…

石持浅海『殺し屋、続けてます。』

石持浅海 『殺し屋、続けてます。』 文春文庫 石持浅海の『殺し屋、続けてます。』を読了しました。ユニークな設定のミステリー短編集の続編です。前作よりもいささかパワーは落ちているような気もするのですが、楽しく読むことはできました。 【満足度】★★★…

宗田理『立て、真田十勇士』

宗田理 『立て、真田十勇士』 角川文庫 宗田理の『立て、真田十勇士』を読了しました。子どもの頃に読んだときはもっと面白かったような記憶があるのですが、今読むとプロットにもキャラクターにも無理ばかりが感じられてしまって、一体どうしたことなのだろ…

少路幸也『空を見上げる古い歌を口ずさむ』

少路幸也 『空を見上げる古い歌を口ずさむ』 光文社文庫 少路幸也の『空を見上げる古い歌を口ずさむ』を読了しました。メフィスト賞受賞作品とのことですが、新本格ミステリー作品を期待して読むと肩透かしをくってしまうのではないかと思います。人情小説を…

吉村達也『「シアトルの魔神」殺人事件』

吉村達也 『「シアトルの魔神」殺人事件』 角川文庫 吉村達也の『「シアトルの魔神」殺人事件』を読了しました。ワントリックの出来としては、同じシリーズの他作品に軍配が上がります。 【満足度】★★☆☆☆

我孫子武丸『警視庁特捜班ドットジェイピー』

我孫子武丸 『警視庁特捜班ドットジェイピー』 光文社文庫 我孫子武丸の『警視庁特捜班ドットジェイピー』を読了しました。グロテスクなふざけ方が特徴的で、これくらいのことをやってこその作品の面白さなのかと感じさせられます。 【満足度】★★★☆☆

万城目学『鴨川ホルモー』

万城目学 『鴨川ホルモー』 角川文庫 万城目学の『鴨川ホルモー』を読了しました。青春小説としてよく書けていると思うのですが、ファンタジー小説としての骨格も意外にしっかりしていて、楽しく読むことができます。 【満足度】★★★☆☆

宗田理『2年A組探偵局 魔女狩り学園』

宗田理 『2年A組探偵局 魔女狩り学園』 角川文庫 宗田理の『2年A組探偵局 魔女狩り学園』を読了しました。作者にしては珍しくジュブナイルのミステリーとしては王道的な展開を見せるのですが、その分作者らしいはみ出した部分が少ないような気もします。 【…

島田荘司『展望塔の殺人』

島田荘司 『展望塔の殺人』 光文社文庫 島田荘司の『展望塔の殺人』を読了しました。作者の当時の問題意識やこだわりのようなものが見える短編集になっていて、今読み返してみると興味深いものがあります。 【満足度】★★★☆☆

吉村達也『白骨温泉殺人事件』

吉村達也 『白骨温泉殺人事件』 講談社文庫 吉村達也の『白骨温泉殺人事件』を読了しました。シリーズ?の探偵役変更を図ったかと思しきプロットはうまくいっているようなそうでもないような、不思議な構成になっています。 【満足度】★★★☆☆

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.6』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.6』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.6』を読了しました。物語りも中盤に突入といったところでしょうか、京都観光気分も味わえる不思議な小説です…

島田荘司『Classical Fantasy Within 第七話 アル・ヴァジャイヴ戦記 再生の女神、アイラ』

島田荘司 『Classical Fantasy Within 第七話 アル・ヴァジャイヴ戦記 再生の女神、アイラ』 講談社 島田荘司の『Classical Fantasy Within 第七話 アル・ヴァジャイヴ戦記 再生の女神、アイラ』を読了しました。シリーズ作品の第二部というべき「アル・ヴァ…

宮部みゆき『とり残されて』

宮部みゆき 『とり残されて』 文春文庫 宮部みゆきの『とり残されて』を読了しました。7編の短編作品が収録された作品集ですが、そのテーマや雰囲気にある程度の統一感のようなものがあって、作者の力量を感じさせられる作品です。 【満足度】★★★☆☆

乾くるみ『イニシエーション・ラブ』

乾くるみ 『イニシエーション・ラブ』 文春文庫 乾くるみの『イニシエーション・ラブ』を読了しました。切れ味の鋭い結末が待っているミステリー作品です。 【満足度】★★★☆☆

赤川次郎『藤色のカクテルドレス』

赤川次郎 『藤色のカクテルドレス』 光文社文庫 赤川次郎の『藤色のカクテルドレス』を読了しました。シリーズ作品としてはややマンネリを迎えているような気もしますが、これからまたいろいろな捻りを加えられながら続いていくのでしょうか。 【満足度】★★★…

宗田理『大熱血!!落ちこぼれ探偵団』

宗田理 『大熱血!!落ちこぼれ探偵団』 角川文庫 宗田理の『大熱血!!落ちこぼれ探偵団』を読了しました。プロットにはかなり粗が目立つ作品で、キャラクターについても狙いどころがよく分からない印象が残ってしまうのですが、これも時代というものなので…

有栖川有栖『妃は船を沈める』

有栖川有栖 『妃は船を沈める』 光文社文庫 有栖川有栖の『妃は船を沈める』を読了しました。長篇小説というべきか、中編小説を収録した作品集というべきか、不思議な構成となっていますが、面白く読むことができました。 【満足度】★★★☆☆