チャールズ・ブコウスキー 青野聰訳
『町でいちばんの美女』 新潮文庫
チャールズ・ブコウスキー(1920-1994)の『町でいちばんの美女』を読了しました。ブコウスキーの本を読むのは『パルプ』に続いて二冊目です。ブコウスキーはアメリカ人兵士である父とドイツ人である母の間に生まれて、二歳のときにアメリカに移住しました。作家になるまでの道のりも紆余曲折あったようです。もともとは詩人としてキャリアをスタートさせています。
本書には合計28の短編が収録されています。独特の哀切が漂う表題作など、面白く読めた作品もあるのですが、全体的に私にはあまりハマらなかったというのが正直なところ。下品さや猥雑さが嫌だというわけではないのですが、それ以上の何か共感できるものが私には見いだせなかったのだと思います。なんとなく思い出されたのは、新聞に玉石入り混じった作品を投稿したマーク・トウェインでした。
熱烈なファンも多い作家だとは思うのですが、『パルプ』に続いて、私にとってはぼんやりと物足りない読書体験でした。もう少し若い頃に読んでいたら感想も違っていたのでしょうか。
【満足度】★★☆☆☆