文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

木原善彦『実験する小説たち 物語るとは別の仕方で』

木原善彦

『実験する小説たち 物語るとは別の仕方で』 彩流社

 

木原善彦『実験する小説たち 物語るとは別の仕方で』を読了しました。本書はブックガイドなので「読了」という表現は似合わないのかもしれませんが。昔からブックガイドというものが好きで、それこそ雑誌を読むように読んでいたことを思い出します。最近ではあまり良いブックガイドに出会えないのですが、本書は待望の一冊。

 

本書で紹介されている小説は、本書のサブタイトルにあるように、いわゆる「物語」を売りにする作品ではなく、別のところに大きな特徴を持った作品です。実験的な文体や構成を持つ作品から、いわゆるヴィジュアルブックのようなものまで、様々な実験的小説が登場します。未読の作品も数多くあり、ネタバレを断ってある部分は読んでいないため、ざっと目を通した程度なのですが、本書が出版された時点(2017年1月)では未訳であった作品も、その後既にいくつかが木原さん自身によって翻訳出版されているようです。また読みたい本が増えてしまいました。

 

【満足度】★★★★☆