文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり

『戦争は女の顔をしていない』 岩波現代文庫

 

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(1948-)の『戦争は女の顔をしていない』を読了しました。スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチはベラルーシのジャーナリストで、2015年のノーベル文学賞をジャーナリストとして初めて受賞しています。本書『戦争は女の顔をしていない』は彼女の第一作で、1978年に取材を開始した後、2004年に至るまで書き継がれたインタビューの記録です。

 

第二次世界大戦でのドイツとの戦争に従軍した100万人を超えるといわれる女性たち。看護師や衛生兵のみならず、通信兵や斥候、また銃を手にした歩兵や狙撃兵として、自ら志願して戦地に赴いた女性たち。その隠された声を発掘してまとめられたのが、本書『戦争は女の顔をしていない』です。この声を前にして、私が語るべきことは何もないように思われるのですが、どのような背景・時代にあっても、戦争は戦争であり、人間は人間なのだと感じさせられます。

 

通勤の電車の中で少しずつ読み進めていた本書ですが、明日からはまた別の本を読み進めたいと思います。

 

【満足度】★★★★☆