『チャイナ・メン』 新潮文庫
マキシーン・ホン・キングストン(1940-)の『チャイナ・メン』を読了しました。本書は「村上柴田翻訳堂」の一冊として、1983年に晶文社より出版された翻訳を改題の上、刊行されたものです。訳者はブローティガン『アメリカの鱒釣り』等の翻訳で知られる藤本和子さんです。
中国系のアメリカ移民の姿を半ば神話的に語った作品というのが、本作を端的に表す言葉だと思うのですが、全米図書賞を受賞したという事実が物語るように、本作は極めてアメリカ的な作品なのだと思います。うまく言うことができないのですが。そして、正直なところ、今回の読書では私にとってうまく「はまらなかった」作品でもあります。それがなぜなのかはよく解らないのですが、移民の移民性というものを論じるには、現代社会が随分とグローバル化し過ぎてしまっているという事実が関係しているのかもしれません。
【満足度】★★★☆☆