『カート・ヴォネガット全短編 1 バターより銃』 早川書房
『カート・ヴォネガット全短編 1 バターより銃』を読了しました。SF作家というジャンルの枠組みを超えて(もはやそうしたジャンル分け自体があまり意味をなさないものだと思いますが)多くの人に愛読されているヴォネガットですが、彼の短編を読むのは初めてのことでした。四分冊で刊行された短編全集を順番に読んでいきたいと考えています。
発表順や執筆順ではなく、編者が設定したテーマ(セクション)ごとにヴォネガットの短編が分類されています。本書には「戦争」セクションと、「女」セクションの一部が収録されています。初読で印象に残ったのは冒頭に置かれた「王様の馬がみんな……」の鮮烈な筋書きなのですが、戦争の描き方としては比較的ストレートな(?)ように感じられました。「審判の日」のようにSFの枠組みを生かした作品も面白いのですが。
【満足度】★★★★☆