エッカーマン(1792-1854)の『ゲーテとの対話』を読了しました。ドイツの若き詩人であるヨハン・ペーター・エッカーマンが文豪ゲーテと出会い、彼の良き使徒としてゲーテとの間に交わされた「対話」を著したのが本書です。
「対話」とはいいながらも前景に出てくるのはゲーテの言葉であり、色彩論に関してエッカーマンがゲーテに進言したという箇所を除いて、対話相手であるエッカーマンはゲーテの讃美者という立ち位置からほとんど動くことはありません。訳者解説にもあるように、たしかにまるでゲーテがエッカーマンを使嗾して書かせたかのような書物なのですが、それも含めてゲーテという人物の器の大きさを感じさせる作品になっているのかもしれません。
【満足度】★★★☆☆