文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ジョセフ・K・キャンベル『自由意志』

ジョセフ・K・キャンベル 高崎将平訳

『自由意志』 岩波書店

 

ジョセフ・K・キャンベルの『自由意志』を読了しました。「現代哲学のキーコンセプト」として出版された哲学教科書シリーズの一冊です(どちらかというと、新しい現代の「形而上学」の教科書を意図したシリーズだということが解ってきました)。本書のテーマは「自由意志を持つ人が存在する」という自由意志テーゼを巡る議論を、決定論の問題や道徳的責任概念の問題圏と絡めて、整理し解説することにあります。

 

問題の複雑さゆえなのか、あるいは意図的なことなのか(どちらかといえば後者ではないかという気もしますが)、本書の論述は一読した限りではかなり錯綜しています。一ノ瀬氏による解説が手引きとはなりますが、それにしてももう少しすっきりと記述することはできなかったのかという思いも残ります。

 

【満足度】★★★☆☆