文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

サイモン・ブラックバーン『ビーイング・グッド 倫理学入門』

サイモン・ブラックバーン 坂本知宏・村上毅訳

ビーイング・グッド 倫理学入門』 晃洋書房

 

サイモン・ブラックバーン(1944-)の『ビーイング・グッド 倫理学入門』を読了しました。邦題が指し示すとおり、本書は倫理学の入門書で、原著の出版は2001年のこと。21世紀の倫理学書です。過去の倫理思想家のトピックスを歴史的に通覧するのではなく、倫理学に対する脅威から始めた後に倫理学的概念を点検し、最後に倫理学の基礎をなすと考えられるものについての論述が展開されます。あまり表には出て来ないのですが、著者自身はヒュームの倫理学説にコミットする立場を取っているようです。入門書として大変よくできていると思います。難易度は中くらいでしょうか。

 

【満足度】★★★☆☆