文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』

ミランダ・ジュライ 岸本佐知子

『最初の悪い男』 新潮社

 

ミランダ・ジュライ(1974-)の『最初の悪い男』を読了しました。ジュライ初となる長編小説作品です。自ら充足したルールに従って生きる中年女性と、その家に転がり込んでくる若く無軌道な娘。その出会いが生じさせる奇妙な関係性と、現実に対峙していくための奇妙な連帯と、こう呼んでもよければ「成長」あるいは「進化」とでも言うべきものを、的確な筆致で描いていきます。

 

この小説が私の個人的な部分に刺さることは残念ながらなかったのですが、よくできた小説だと思いますし、この物語に共感を覚える人も多くいるのだと思います。話題になる作品だということもよく理解できました。

 

【満足度】★★★☆☆