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内山勝利 責任編集『哲学の歴史 第1巻 哲学誕生【古代Ⅰ】』

内山勝利 責任編集

『哲学の歴史 第1巻 哲学誕生【古代Ⅰ】』 中央公論新社

 

『哲学の歴史 第1巻 哲学誕生【古代Ⅰ】』を読了しました。帯のコピーである「最初からクライマックス!」に思わずクスリとさせられますが、本書では古代ギリシアのいわゆる「ソクラテス以前」の自然哲学者から始まって、アリストテレスの死後リュケイオンを継いだテオプラストスと初期ペリパトス学派までの哲学史が取り扱われています。

 

ソクラテスプラトンアリストテレスという古代哲学の高峰はもとより、これまではソクラテスプラトンの論敵として描かれることがほとんどであった「ソフィスト」にも、納富氏によるシャープな視線が向けられています。プラトンの解説については、やはり先日読んだ岩波新書の方に軍配を上げざるを得ないのですが、本書における中畑氏のアリストテレス解説はやはり出色で一読の価値があります。

 

【満足度】★★★★☆