イタロ・カルヴィーノ 米川良夫訳
『木のぼり男爵』 白水Uブックス
イタロ・カルヴィーノ(1923-1985)の『木のぼり男爵』を読了しました。カルヴィーノの代表作の一つとされている本書は、『まっぷたつの子爵』及び『不在の騎士』と共に三部作をなす作品でもあります(私は前者は未読ですが)。
12歳のある日、食卓に並べられたカタツムリ料理を食べることを拒否して、木の上に登った主人公のコジモは、それからの全人生を樹上で過ごすことに。弟を視点人物として語られるその奇妙な冒険の様子を読んでいるだけでも楽しいのですが、コジモと交錯するこれまたユニークな人々の姿やその生き様も相まって、どこかしんとさせられる静かな感動を覚えます。
【満足度】★★★★☆