ヘミングウェイ 高見浩訳
『勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪 ―ヘミングウェイ全短編2―』 新潮文庫
ヘミングウェイ(1899-1961)の『勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪 ―ヘミングウェイ全短編2―』を読了しました。1928年にパリからフロリダ半島沖にあるキー・ウエストへと移り住んだ29歳のヘミングウェイが、その後の数年間で発表した短編が本書に収録されています。印象に残った作品は「清潔で、とても明るいところ」なのですが、「キリマンジャロの雪」の冒頭に掲げられた豹の屍に関する描写も鮮烈なイメージで、大学時代にある授業で耳にしたエピソードを思い出しました。
なんと表現すべきなのか、いまひとつぴったりとした言葉が思い浮かばないのですが、ヘミングウェイの“世界性”というのか、彼の文学が志向するものに私自身がうまく馴染めないところがあるのですが、そのあたりについてはヘミングウェイの作品を一通り読み終えてみてからまた自分なりに振り返ってみたいと思います。
【満足度】★★★☆☆